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これから、己の限界に挑戦してみようかと思います。
12時を迎えるまでに、書ける限りで小説UP!
よーいドン!!

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『陽子麒麟、巧国編』



「おーいっ陽子!」
 
 翠篁宮。そこは雲海の上。いと高き身の方々が住まわれる場所。
 外から訪う者たちは禁門を厳かに通りぬけ、仰々しく出迎えられるのが筋。
 しかし、この巧国の麒麟の名を呼んで宮殿の上から騶虞に乗って下りてくるのは・・・

「六太君!!」
 金髪を持ち、この世で第二に長命である雁国の麒麟だった。
 年齢から言えば兄妹、であるが見た目は姉弟である二人はとても仲が良かった。
「元気だったかっ?」
 騶虞から飛び降りた延麒はそのまま、再会の抱擁のために飛びついた。
「元気だよ。六太君は?」
「もちろん!扱き使われてへとへとだったけど陽子の顔見たら元気になった!」
「そう言ってもらえると嬉しい」
 ちなみに庭院である。護衛を勤める禁軍の兵士たちが必死で見て見ぬふりで空を見上げていた。
 今日も真っ青で、目に沁みる。
「今日は陽子にすっげぇいいもの持ってきたんだ」
「え、何?」
 延麒の目が悪戯っぽくきらりと光、陽子は首を傾げた。
「じゃーんっ!!」
 延麒が取り出したのは、一本の棒だった。黒光りして金の装飾を施されたそれは、陽子の身長の二倍の長さはある。物干し竿だろうか、と陽子はその棒に通された布が風に翻る様子を思い描いた。
「これはな棍っていう武器なんだ」
「武器?」
「楽俊に剣を禁止されたって言ってただろ?」
「ああ」
「これなら刃もついてないし、剣より長いし安全だ」
 楽俊はけっして、刃物がついているからと剣を禁止したわけでは無い。陽子に傷ついてもらいたくないからこそ『武器』を禁止したのだ。
「それは凄い!」
 しかしそのあたりを延麒も陽子も全く理解していなかった。
「扱い慣れるまで大変そうだけど…これなら剣よりも遠くの相手を倒すことができそうだ!」
「だろ!」
 二人の麒麟の会話に、禁軍の兵士たちは目頭を押さえた。
「ありがとう!六太君!使いこなせるように精進するよ!」
「ああ!陽子なら大丈夫だって!」
 そんな太鼓判を押される麒麟で良いのだろうか。

 その頃、何も知らない楽俊は堂室で一生懸命御璽を押していた。




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投票トップな楽俊におめでとう!
・・・何か同情票な気がしないでもない(笑)


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